インフルエンザ予防接種の説明

 今年もインフルエンザの予防接種の時期になりました。
 今年はワクチンの生産量が例年程度の見込みで、昨年度と比較すると2割ほど減る見込みです。
 昨年度は接種をする方が多くてインフルエンザのワクチンの供給が順調ではなく、医療機関によっては年末以降のインフルエンザのワクチンの接種ができなかったところがありました。
 昨年度のワクチンの供給量が1ml換算で3342万本、使用量が1ml換算で3274万本で、余りが例年よりもかなり少なかった年度でした。
 本年度の生産の見込みは2567~2792万本ですから、本年度の使用量が昨年と同じだとすると、1ml換算で482~707万本の不足で成人は一回に0.5mlを接種しますので、成人換算で964~1414万人分のワクチンの不足となります。
 単純計算では、昨年に接種をした方の14.7~21.6%の方は接種ができない状況です。

 以前は、毎年年末から流行し始めて春には落ち着いていたのですが、数年前からは流行期の冬場以外の時期にもインフルエンザの患者さんがいました。
 一昨年は、6月・7月に主にB型が、そして9月になってからは主にA型が流行するという、これまでとは異なるパターンでの流行がありましたが、昨年からはインフルエンザの患者さんが全くいない状態です。 
 世界的にも同様な状況で、昨年度からはインフルエンザの流行がほぼありません。
 その理由は、新型コロナウィルス感染症の拡大や手洗いの励行・衛生意識の向上等があるとは思われますが、それらだけでは説明しきれないと思います。
 新型コロナウィルス感染との兼ね合いもあり、専門家でも今後の流行の予測は困難だと考えています。
 昨年度にインフルエンザが全く流行をしなかったので、抗体が減っていてそれで今期は大流行になるのではないかという考えがありますし、現在南半球ではインフルエンザは流行していないので今期も北半球でインフルエンザは流行しないという見方が正しいという保証はありません。
 どのように流行するか分からないからこそ、インフルエンザは予防接種が重要だ、と感じています。
 インフルエンザの予防接種は冬に一回だけ流行することが前提で作られていますので、年に一度の接種です。
 A型が2系統、B型も2系統の合計4系統が含まれる(=4価)のが現在のインフルエンザワクチンです。
 毎年南半球の流行状況を見て、世界保健機関(WHO)が予防接種の内容を勧告して、北半球の各国が事情に応じて内容を決定して、鶏卵を使って作るものです。
 なので、ワクチンの内容・組成は毎年少しずつ変化があります。
 ワクチン自体には、卵の成分はほぼ含まれていない(大体4~5ナノグラム/ml、つまり3歳で接種したら一回に2~2.5ナノグラムで、”ナノ”は10億分の1を表します。卵アレルギーで敏感な人は1mgの摂取でも症状がでる、と言われていますから、ワクチンにはその100万分の1程度しか卵の成分が含まれないのです。)ので、卵アレルギーのある方でも安全に接種できます。

 生後6ヶ月から接種は可能で、2歳以下が一回0.25mlの2回接種、3歳以上で12歳以下が一回0.5mlで2回接種、13歳以上が一回のみの接種となります。
 2回の接種はおおよそ3~4週間空けて接種します。
 初回接種の年齢で接種量と回数が決まりますので、例えば1回目が2歳で2回目が3歳でも投与量は一回0.25mlですし、1回目が12歳で2回目が13歳でも、2回接種となります。
 子供さんと一緒にその保護者の方も予約は可能で接種ができます。
 他の予防接種と比べると確かにその予防効果は劣りますが、他に予防するべき手段がありませんので、積極的な接種をお勧めします。
 なお、輸入品ではありますが、2歳以上で49歳以下が適応の一回のみの点鼻ワクチン(生インフルエンザワクチン)の4価フルーミストも今年も準備中です。
 フルーミストは11月に入荷の見込みですが、入荷が確定したら料金などを公開し、もし入荷が不能であった場合にもその旨を公開します。

 


2021年9月28日